テーマ「呼吸器疾患の緩和ケア ~非がん疾患の緩和ケアの視点から~」
欧米では1990年代にRSCDやSUPPORT研究などにより非がん疾患の緩和ケアのニーズが明らかになった。また、RSCDにおいては非悪性呼吸器疾患(NMRD)の患者の呼吸困難などの苦痛は肺がんを凌ぐことが明らかにされ、SUPPORT研究ではCOPD患者が望むようなケアが受けられず苦痛の中で最期を迎えていることが示された。このように、この2つの研究のサブ解析によってNMRDの緩和ケアの必要性が明確になった。
その後、英国国立医療技術評価機構(NICE) のCOPDのガイドライン(2004年)や米国胸部専門医会(ACCP)の立場声明(2005年)などでNMRDの緩和ケアは呼吸器病学の不可欠の部分であると明示された。
我が国においては、COPD診断と治療のためのガイドライン第4版(2013年)で初めて終末期の緩和ケアについて詳細に解説され、その必要性が広く認知される機会となった。
本講演では、非がん疾患の緩和ケアならびにNMRDの緩和ケアの原則、予後予測や意思決定支援の原則、治療やケア等について報告する。
名前 平原 佐斗司 (ひらはら さとし)
経歴 1987年島根大学医学部卒業
同第二内科
六日市病院内科
平田市立病院内科
帝京大学病院第二内科をへて、
東京ふれあい医療生協梶原診療所勤務
現在、東京ふれあい医療生活協同組合梶原診療所 所長
専門分野 老年内科、在宅医療、緩和ケア
資格 総合内科専門医、在宅医療専門医、日本緩和医療学会暫定指導医、
プライマリケア連合学会認定医・指導医
役職 ・東京医科歯科大学臨床教授
・聖路加看護大学臨床教授
・東京大学高齢社会総合研究機構客員研究員
・日本在宅医学会副代表理事
・北区医師会理事(在宅医療部長)
・北区在宅ケアネット代表世話人(事務局長)
・NPO法人高齢者を支える学術的チームアプローチ推進ネットワーク
(通称ミシガンネット)理事
編著 ・「医療と看護の質を向上する認知症ステージアプローチ入門
~早期診断、BPSDの対応から緩和ケアまで~」(中央法規)
・「チャレンジ 在宅がん緩和ケア」編著(南山堂)
・「チャレンジ 非がん疾患の緩和ケア」編著(南山堂)
・「在宅医療テキスト」(勇美記念財団)編集委員長
・「在宅医学」(在宅医学会編;メディカルレビュー)副編集委員長
・「在宅医療のすべて」スーパー総合医シリーズ 第7巻(中山書店)
・「明日の在宅医療」全7巻 編集幹事(中央法規)、
・心不全の緩和ケア(南山堂)
その他共著多数